とてもしっかりしていて、理解力のあるWくんは「トイレに行ってもいい?」「あの子がブロックを壊した」と、何かにつけて去年、年少児だったときの担任である私のところに言いにきます。
そんな保育士の子どものお悩み相談にお答えします。

このページの内容は
- 新しい担任になつかない子どもへの対処方法
- 先輩保育士が担任している子どもについての相談方法
結論から言うと、1日でも早く新担任に気持ちが向くようになったほうが、Wくんにとっては幸せです。
子どもはふつう、悲しくなるくらい前の担任のことを振り向かないものです。
ただ、保育士デビューしたときに担任した子どもですから、特に印象が強く残ってしまうのも無理はないでしょう。
私も今まで担任した子どもたちを思い出したとき、真っ先に頭に浮かぶのは保育士デビューしたときの子どもたちです。
ですから、M先生のように担任を外れても受け入れたくなるのも分かります。
だからこそ、新しい担任に気持ちを向けてあげるほうがずっと大切です。
1日でも早く新担任に気持ちが向くようにするのが前担任の仕事
新担任のほうを向くようにするのが前担任の保育士としての務めです。
しっかり者のWくんと、しっかりしたベテラン新担任でフィーリングは合うはずです。
たた、新担任がWくんを頼りにしているので、それにこたえなくちゃ!というプレッシャーをWくんが感じていると思われます。
だからよけいに、Wくんは今の担任のベテラン保育士よりも、慣れている前の担任を慕うのです。
はじめはWくんの気持ちを受け入れたうえで、
「先生も、○○先生のこと好きよ」
のように、Wくんが新担任になついていけるような言葉かけをしていきましょう。
そして、
「○○先生が言っていたけど、Wくん、こんなことをしてくれるんですってね。先生もうれしいな」
など、Wくんが新担任のほうを向くように背中を押さなければなりません。
つらいけれど、それが前の担任の保育士がやるべきことなのです。
先輩保育士の考え方とぶつからないように事実を伝えて相談する
Wくんについては新担任も気にしているかもしれません。
「Wくんは甘えて慣れている私のところに来てしまうと思うのですが、どうしたらよいでしょう?」
と、先輩保育士の考え方とぶつからないように、事実を伝えて相談してみましょう。
進級直後の年長児と接するとき気をつけるべきこと
M先生ははじめて年長児の担任になったわけですね。
実は、年少児や年中児の担任の保育士と、年長児の担任の保育士には大きな違いがあります。
「年長さんの担任」から叱られると子どもは緊張するのです。
今までは、顔は知っているという程度の関係だった保育士でも、担任ともなると、子どもたちはその行動をつぶさに見つめています。
保育士にとっては、張りつめた緊張感を感じるときで、子どもとの関係がしっくりいくまでは、言葉や叱り方に、いちばん気を遣うべき時期でもあります。
ですから進級直後の時期は、できるだけ慎重な接し方を心がけることが、非常に大事です。
また、不安を抱く子どもがいる一方で、張り切っている進級児もかなりいます。
ぜひ、「大きくなった」というプライドを大事にしてあげましょう。
できて当然というのではなく、
「年長さんださからできたのね」
「小さいお友だちに教えてあげてね」
というようにみんなの前で認めてあげることも必要です。
まとめ
担任を外れた子どもに対しては早く新しい担任に慣れるようにしてあげましょう。
そして、新しい担任に慣れるまでに時間がかかる子どももいます。
新担任と連携して、子どもが新しい担任に早く慣れるようにしていきましょう。