厳しい口調で注意しても、おもしろがってエスカレートする子どもに悩んでいます。

そんな保育士の子どものお悩み相談にお答えします。

このページの内容は
- 注意しても子どもが聞いてくれない理由
- 大声で注意しなくても子どもが聞いてくれる方法
ですから、1年目、2年目の新人保育士さんの人間関係の悩みや保護者への対応の悩みについて、いろんな保育士に解決方法を聞いて紹介していきます。
厳しく注意しているつもりなのに、ふざけてばかりの子どもたち。どうしたらいいの?
今年、保育士になって1年目の新人です。
きちんとできたら褒める!注意にも工夫を
「どれだけ子どもたちを引きつけて注意できるか」が重要。
集まりのときは、落ち着いて座っている子をたくさん褒めたり、集中しないと聞き取れないような小さな声で話をしたり、手あそびをしたりして、子どもたちが先生に興味を持ち、自分たちから寄ってくるのを待つのが一番です。
そして、きちんと座れたら、たくさん褒めること。
そうすれば、「やればできる」と自信がつきます。
先生が前に出たら自然に「何をするんだろう?」と集中してくれるようになるでしょう。
危ないことを注意するのは大事ですが、注意にも工夫を。
例えば廊下では、「ゾウさんみたいに歩こうね!」など、ゆっくり歩けるような言葉かけをしてから、「どうして危ないのか、なぜ走ってはいけないのか」をていねいに話すとわかってくれます。
大声を出すのは簡単。
怒ってばかりでは、子どもの気持ちは分からないし、K先生の気持ちも伝わりませんよ。
とことんいっしょにあそび、信頼関係を持って
自分と他の先生とを比べてばかりでは、自分にふがいなさを感じてしまいがち。
肩に力が入り、子どもたちに「心」ではなく、「言葉」や「威圧感」を与えるだけになっていませんか?
「私は先生なのよ!言うことを聞きなさい!」という気持ちが少しでもあると、子どもはすぐに感じ取って離れていってしまいます。
K先生は、子どもとあそんでいますか?
「あそんであげる」のではなく、時間や周りを忘れるくらいとことんあそび、「楽しいね」「またやろうね、先生!」と会話したことはありますか?
子どもは、「あそんでもらう=愛されている」と感じるようです。
先生が心から楽しんで子どもとあそぶことで信頼関係ができれば、話も聞いてくれるようになりますよ。
「先生」という殻から出て、自分は子どもたちにあそんでもらうのだと、謙虚な気持ちからスタートしてみては?
落ち着かない原因を見直してみては?
- 廊下を走ってしまうのはなぜか?
- 集まりに集中できないのはなぜか?
など、子どもたちが落ち着かない原因について、もっと考えてみてはどうでしょうか。
原因が分かれば、出会い頭にぶつからないように、廊下の中央に、インテリアとして小さなプランターを並べるなど、環境についても工夫できるでしょう。
元気なのは子どものあるべき姿。
落ち着かないのは、戸外で十分体を動かしていないからかもしれません。
注意するより、
「走るなら広いお外で走ろう!」
と肯定的に話すことが、自分にとってもストレスにならずによいと思います。
分かりやすく、伝わりやすく、納得のいく話しかたを勉強することも大事です。自分を責めず、長い目で子どもたちを見てあげてください。
楽しい先生になって子どもに近づきましょう
私も1年目のときにK先生とまったく同じ状況で、よく悩みました。
そこで発想を変えて、「子どもたちに親しもう、もっと楽しいことをたくさんしてあげよう」と決めました。
手あそびを覚えたり、絵本、紙芝居をたくさん読んだりして、子どもたちに「この先生、楽しいな」と思ってもらえるように努力しました。
子どもとの距離が近くなるにつれて、こちらの話によく耳を傾け、注意も聞いてくれるようになったことを実感しました。
それから、やはり経験を重ねることも大切なこと。年数がたつにつれ、注意するタイミングなどを肌で感じられるようになってくると思いますよ。
K生には、もっと子どもと触れ合い、保育を楽しむように心がけてみてほしいと思います。
人形やペープサートを使って理解してもらう
「私は、子どもたちに人形やペープサートを使って「危険なこと」を伝え、考えてもらうようにしています。
すると理解してくれた子が、言うことを聞かない子に「それはいけないんだよ」と言うなど、子どもどうしで気を付け合って、約束を守るようになることも。
子どもの心に近づく第一歩は、まず子どもたちから信頼され、魅力ある保育士になること!
子どもたちと共に喜び、相談相手になったり、いっしょに考えたり、あそんだりできる保育士になれるよう努力しましょう。
そうすれば、きっと心を開き、話を聞いてくれるようになりますよ。
ひとりひとりに合った注意のしかたを考えて
ガツンと言ったほうが話を聞いてくれる子、ゆっくり目を見て話せば分かる子など……。
注意のしかたには、ひとりひとり違う方法があると思います。
厳しい口調ではなく、ひとりひとりに合った注意のしかたを考えてみてはどうでしょう。
子どもたちはK先生のことを、まだ「お姉ちゃん」のように感じているのかもしれませんね。
だから調子に乗ってしまうこともあると思います。
どこの保育園でも、1年目の新人の先生がぶつかる壁ではないでしょうか?
また、子どもたちとしっかり向き合って「ちゃんとお話を聞いてくれないと、先生悲しいな。お話聞いてほしいな」と、気持ちを伝えてみては?
まとめ
子どもたちに、ロだけで注意してはいないでしょうか。
もう一度、自分の注意の仕方を思い返してみてください。
子どもの気持ちが落ち着いていないときは、いくら言っても伝わりません。
いったん抱きしめるなどして、行動を止めることで、ものを聞くことに気持ちが向かいます。
注意するのはそれから。
そして、目線を合わせるのは基本です!
子どもの肩に手を置く、ひざにだっこするなどして、真剣にゆっくり話せば、声を荒げなくてもきっと伝わりますよ。
もしかしてK先生は、「子どもに好かれたい、嫌われたくない」という気持ちが強いために、自信を持って注意したり、しかったりできないのではないでしょうか?
「怒ったら怖いけれど、いつもは優しくておもしろい先生」を目ざして、がんばってみて!