保育士 1年目・T先生のお悩み
1年目の保育士です。
幼児期(3歳以上児)に対して、4月の保育者の援助は何に注意したらいいのか悩んでいます。机で悩む保育士

そんなお悩みにお答えします。

保育士歴こっそり18年(秘密)保育士歴こっそり18年(秘密)

このページの内容は

  • 保育者の援助【4月】で注意すべきポイント
  • 保育者の援助【4月】の具体的な方法

記事を書いている私は、新入園児を迎えるのも18回を数えました。(保育士歴20年じゃない!18年ね)

この期間に、いろいろな悩みも、転職(転園)も、そして出産による育休も経験してきました。

今の私から新人だった頃の私にアドバイスするつもりでお答えします。

結論から言うと、幼児期(3歳以上児)に対する、4月の保育者の援助は「不安にさせないこと」に尽きます。

新しい環境に入ってくるのですから、どうしても不安な気持ちになるのは仕方がないことかもしれません。

だからこそ、保育者がひと工夫して、子どもが少しでも不安な気持ちになる場面を減らしてあげたいものです。

保育者の援助【4月】で注意すべきポイント

安心感があるからこそ「やる気」になる

人間はもともと、「知りたがりや」の「やりたがりや」ですが、いつもそうかというと違います。
心配ごとがあるときや悲しいときなどは、やりなさいと言われても、やる気が起きません。
安心感があり、気持ちが落ち着いているときにやる気はわいてきます。

保育の中で、子どもが主体的にものごとにかかわり、さまざまなことを学んでいけるようにするためには、まず子どもに安心感をもたせることからとりかかるべきです。

子どもたちが「知りたがりや」の「やりたがりや」に自然となっていくように新しい環境で生活を始める4月の保育は、安心感こそ大切です。

4月の新入園児はどんな不安を持っているのか?

もし、あなたが、海外旅行に行こうとしているとき、搭乗予定の飛行機に何らかのトラブルがあり、

「ただいま飛行機は遅れています。しばらくお待ちください」

というアナウンスを聞いたとしたらどうでしょう?

不安になりませんか?

同じ待つ場合であっても、およその時間が分かっていれば、そのままロビーの座席で待つこともできますし、ちょっとお茶でも飲んでこようか?なんてこともできます。

しかし、この後の予想ができないアナウンスでは、行動のしようがなくなってしまいます。

また、ロビーを離れて、アナウンスが聞こえなくなってしまうのも心配です。

ですから、およその時間だけでなく、その後のアナウンスが聞こえるように「1階のフロア内でお待ちください」などと、範囲も指定してくれると、さらに安心できます。

4月の新入園児にとって保育園の生活は、「遅れた飛行機を待っている」のと似たような状況です。

子どもたちに、同じような不安な気持ちを抱かせないようにしたいものです。

保育者の援助【4月】の具体的な方法

環境をシンプルで落ち着いた雰囲気に

保育園の環境は家庭と比べると、どうしても刺激が多いものになっています。
あれやこれやと気が散って、落ち着かない子どもが出てきても不思議ではありません。
立ちつくしている子、自分のロッカーの中に入ってしまう子などは、家庭とのギャップから身の置きどころがないと感じているのです。

そこで、

  • 1人用の遊具
  • 囲まれた空間
  • 少人数でのあそび

など、じゃまされずに過ごせる条件を確保します。
また、遊具や用具、教材などは、いつも同じ場所に置いて、「あそこに行けば○○がある」という安心感を持てるようにします。

まわりの様子を確かめようと、自分からあちこち探索することと、不安でうろうろすることとは、違います。
あそびを「これ」と決めたら集中できるように、落ち着ける条件を満たしてあげましょう。

スケジュールを一定にすると安心できるようになる

子どもなりに「保育園の生活はこんなふうに流れる」と理解できるようにすることが大切です。
そのためには、保育展開や保育計画を一定にしておきます。

また、食事のしたくも、保育園ごとにある決まった順序ややり方があるでしょうから、その流れを守って一定にします。

毎回、流れが変わるので先生の指示を聞いてからでないと行動できないようにしてしまうと、子どもは気が休まるときがなくなってしまうからです。

そして、おおよその流れがわかってくると、次に同じような状況になったときに、どんなことが起こるか予想できたり、自分の行動を計画的に実行できたりするようになります。

また、人の話を聞いたときに、何を言おうとしているのか理解できるようにもなります。

子どもにルールを伝えるときは何を?どこに?まで具体的に

保育園生活にはルールがあります。
しかし、保育者の言い方が子どもには分からない場合も少なくありません。

例えば、「ままごと道具を、きれいに片づけましょう」と言われても、棚に戻せばいいのか、かごに入れればいいのか、子どもには見当がつきません。

また、「ちゃんと」とか「しっかり」といった言葉をいくらたくさん言っても、むだです。

「ちゃんと」や「しっかり」が「どういう状態を示すのか?どうすればいいのか?」を、子どもにはっきりわかるように示してから、実際に取り組ませるようにしたいものです。

そこで、「同じものを集めよう」とか「茶碗とはしを一緒にしまおう」というように、具体的な指示をするとともに、ていねいに取り組めるよう時間をかけます。

大人である保育者から見ると、じれったい気持ちになることもありますが、子どもが実際に自分でやってみることが大切です。

自分であれこれ考えながらやってみることで、確かな理解が得られますし、「やったあ!」という手ごたえも感じられるからです。

また、環境面でも工夫をすると、子どもがさらに伸びていきます。

たとえば、スコップを一つずつフックにかけると全部のフックが埋まるというように、フックとスコップの数を同じにして、「こうすれば確かめられる」という方法を子どもが体験から学べるようにしておきます。

  • 「比べる」
  • 「仲間に分ける」
  • 「同じ数にそろえる」

などのことは、「こうかな?あれ、違う・・・。」というように、悩んだり迷ったりしながら、真剣に取り組むほど確かな力になります。

そして、「ちゃんとできた」ことが子どもたちだけでも確かめられるように、数や種類をきちんと整えておきましょう。

「帰りのしたく」はカバンを持ってくることではない

  • 「集まり」
  • 「片づけ」
  • 「お弁当」
  • 「帰りのしたく」

などの言葉は、単に一つだけの意味をもつのではなく、その中身にはたくさんやるべきことが入っています。

たとえば、「帰りのしたくをしよう」と言ったときには、その中に「おしっこに行く」「園服から着がえる」なども含まれています。

つまり、一つ一つのやるべきことをまとめた言葉として「帰りのしたくをしよう」と言っているわけです。

しかし、言葉が持っている一つ一つのやるべきことが分からない子どもは、「帰りのしたくをしよう」と言われると、真っ先にカバンを取りにいってしまいます。

だからこそ、言葉の中身をちゃんと具体的に知らせていく必要があるのです。

しかし、「次はこれ」「今度はこれ」と細切れに指示してしまうと、なぜ、それをしなければならないのか分かりません。

ですから、目的を理解する力も、問題を解決する力も育ちません。

ゴールが分かるようになっていて、そのゴールにたどり着くまでに何をするべきなのか、一つ一つのやるべきことを伝えていくのが正解です。

  1. 「おしっこに行く」
  2. 「洋服を着がえる」
  3. 「カバンを取りに行く」
  4. で「帰りのしたく」というゴール

というように、言葉の意味は具体的に伝えてあげましょう。

待たせるのではなく「待っていよう」

次のことを予想できないまま待つのは、不安や緊張を感じます。
待ち時間を最小限にするよう、保育の準備を前日にていねいにしておくことも大切ですが、イレギュラーなことが起こりやすいのも4月ならではの特徴です。

したがって、どうしても子どもを待たせるしかない場面に遭遇することもあるでしょう。

ただ、同じ待つ場合であっても、理由を知らせて、見通しが持てるようにすることが大切です。

「みんながおしっこから戻ってくるまで、待っていてあげようね」など、

  • 今の状況
  • どういう状況になれば解決するのか

を知らせておくと、待たされている感じから、「待っていよう」という意識に変わります。

状況がぐるぐる変わるのに、それに合わせて的確な行動をするのは子どもにとって難しいことです。

そこで、「だったら、こうしよう」と、変化に応じた解決策を発想できるように十分なヒントをあげてください。

まとめ

幼児期(3歳以上児)に対して、4月の保育者の援助でやるべきことは、不安をできるだけ感じさせないようにすることです。
これで、スムーズに保育園生活になじんでくれるようになりますし、保育士の先生と仲良くなるのも早まります。