個性が大事なのは分かりますが、保育園は集団生活する場所です。

みんなと一緒に行動しない子にはどんな指導をしたらいいのか悩んでいます。

机で悩む保育士

そんな保育士の子どものお悩み相談にお答えします。

保育士歴こっそり18年(秘密)保育士歴こっそり18年(秘密)

このページの内容は

  • みんなが怖くて一緒に遊べない子の対応
  • あまりにもマイペースな子の対応
  • すぐにフラフラと席を離れてしまう子の対応

この記事を書いている私は保育士になってから18年・・・(20年じゃない!18年ね)

いろいろな悩みも、転職(転園)も、そして出産による育休も経験してきました。
今の私から新人だった頃の私にアドバイスするつもりでお答えします。

集団に入れる子がいい子と思いがちですが、集団に入れなくても、まったく別のことで長所を持っている子がいることを忘れるわけにはいきません。

ただ、集団に適応できないと、いろいろと不利益がある……これも現実です。

その子が困らない程度まで、集団に適応できるように手助けしてあげたいものです。

みんなが怖くて一緒に遊べない子

保育士 2年目・T先生のお悩み

年中児のAくんは優しくておとなしいので、乱暴なことや攻撃的なことはめったにしません。
だから、ヒーローごっこをしても、自分がやられそうになるとすぐに、「やめて!ごめんなさい」と泣き出します。
これではあそびが盛り上がらないので、仲間に入れてもらえなくなりました。
Aくんは「みんなは怖いからあそばない」と言います。
このままでいいのでしょうか。

机で悩む保育士

無理にヒーローごっこで遊ばせる必要はない

男の子はヒーローごっこ、女の子はおままごとというように、ステレオタイプ的にとらえる必要はありません。

あそびの選択肢をたくさん用意し、Aくんが静かなあそびがよいと言うなら、無理にヒーローごっこに入れることもないのです。

大切なのはAくんの気持ちです。

そして、Aくんが怖がりで仲間に入れないととらえる前に、ヒーローごっこの中でどんなやりとりがあるのか、保育士はよく観察する必要があります。

もしかすると本気でぶたれたり、不当に悪者扱いされたり、やられてばかりということも考えられます。

子どもにとって、あそびの中での手加減は難しいことですが、4歳ともなればあそびと現実の区別をつけて、「うそっこの本気」を、学んでほしいと思います。

そのためには、Aくんが友だちの反応を見て、相手の気持ちをイメージできるようになることが大事です。

そして、友だちの中には、活発なやりとりが平気な子もいるし、好まない子もいるということを、保育士が仲間に入って、かかわりながら伝えていきましょう。

友だちを怖いと感じたままにはしない

怖がっているAくんを、無理に仲間に入れようとする必要はないのですが、そのままにしておくと、ヒーローごっこの友だちを「怖い」と感じたままになってしまいます。

乱暴や攻撃的なことが苦手なら、ほかのあそびをしている友だちのほうに目を向けさせてあげましょう。

そして、Aくんの心が安定してきたころを見て、保育士が間に入りながら、ヒーローごっこをしている仲間とかかわれる場も作っていきましょう。

そうしているうちに、ヒーローごっこの仲間たちの、優しい面や弱い面などにも触れることができ、恐怖心が取り除かれていきます。

まとめ

ヒーローごっこの中で、「やりすぎていないか」「いつも同じ子ばかりが悪者役にされていないか」など、見届けることも必要です。

そして、最終的には子どもどうしで誘い合ってあそぶ環境を作ってあげたいものです。

あまりにもマイペースな子

保育士 1年目・M先生のお悩み

砂場で友だちといっしょにトンネル工事を始めた年長児のNくん。
トンネル作りが楽しくて仕方がないようで、部屋に戻る時間になっても離れられないのです。
私が呼んでも「これ作ってるから」と、部屋に入ろうとしません。
ほかの子が片づけようとすると、「触るな!壊すな!」とどなってトンネルを死守。
夢中になると、気がすむまでやめられないNくん。
こんなことが度重なり、どうしたらよいか困っています。

机で悩む保育士

個性を集団に適応できる工夫を

Nくんが一生懸命やった経験と、集団生活への適応することは正反対ではありません。

ただし、年長児であることを考えると、このまま小学校へ行けば「集団生活に適応できない子」と見られてしまう可能性があります。

難しいことですが、集団生活と個性をいかにマッチさせられるか、保育士は対応にくふうを重ねながら、Nくんが気持ちよい園生活を過ごせるようにしてあげたいところです。

こういうマイペースな子は急に何かを変更するのが苦手なので、「時計の長い針が○になったらお部屋だよ」と前もって予告しておきましょう。

そして、砂場はみんなのものですから、残念だけど片付ける必要があることも伝えなければなりません。

ただ、砂の作品を残しておきたいという気持ちにこたえてパシャッと写真を撮ってプリントしてあげてもいいと思います。

様子を見ながら対応を変える

粘土やブロック、砂あそびなどは、作ったり壊したりするのが楽しいということを伝えながら、Nくんの気持ちを許容したり、厳しくしたり、様子を見ながら対応を変えてみましょう。

たとえば、「そこまでやったら部屋に入ってね」と許容範囲を広げたり、ときには「クラスのみんなが待っているから、がまんしようね」と言い聞かせたり。

最終的には、Nくんが自分で考えて行動できるように対応するのが理想です。

最近は言われるままに動く子が多い中、ここまであそびに熱中できる、Nくんの個性は大事にしたいですね。

でも、年長児であることを考えると、彼自身のために、少しずつでも時間を守る生活習慣を身につけてもらうことが必要です。

ただ、その方法が難しいですね。

いつも「ダメ」と時間で切ってしまうと、Nくんの意欲をつぶしてしまいかねません。

だからこそ、許容範囲を広げたりがまんさせたりすることが必要なのです。

まとめ

個性は大切です。

しかし、周りの人とのバランスを大きく崩してしまう個性は大人でも子どもでも制限されるものです。

集団生活を学ぶ場が保育園なのですから、個性が大事であると同時にみんなに迷惑をかけないことも大事なのです。

すぐにフラフラと席を離れてしまう子

保育士 2年目・H先生のお悩み

自分がやりたい活動のときは、少しの時間は席に着いているのですが、いつのまにか席を離れてフラフラする年少児のTちゃん。
ほかのクラスに行ってしまうこともあります。
「今はみんな座っているよ」と言うと、自分なりの理由を話し始めます。
席を離れてはいけないという意識が、Tちゃんにはまったくないようなのです。

机で悩む保育士

今の自分の保育が子どもたちに合っているかどうか、振り返るチャンス

Tちゃんの問題をきっかけにして、今の自分の保育が子どもたちに合っているかどうか、振り返る機会です。

子どもは全般的に、「待つだけで何もすることがない」ことが苦手です。

例えば、園庭から部屋に入るとき、行動が早い子はさっさと入ってしまうので、指示がないままただ待つことになり、何をやったらいいのか分からないという状態になりがちです。

Tちゃんは好奇心がおうせいで、あちこち見て回りたいのでしょう。

ですから、保育園全体の様子が分かってくると、落ち着いてくるかもしれません。

ただ、ひとり担任で部屋から脱走する子がいると、保育士はその子を抑え込まなくてはと思いがちですから、Tちゃんとよい関係が持てなくなる可能性もあります。

できることなら、「保育園全体で見る」と保育士の先生たちにお願いできるといいのですし、解決への近道です。

しかし、1年目、2年目の保育士からはなかなか提案しにくいことでしょう。

だからこそ、子どもたちが「待つだけで何もすることがない」状態になっていないかどうか、もう一度、自分の保育を見直してみましょう。

年少児の1学期だから許されること

年少児の1学期ですから、もう少し様子を見てあげたいところです。

かまってほしい行動の裏返しとも考えられますが、「脱出、連れ戻す」の繰り返しでは、「保育園、つまらない……」と印象づけてしまうかもしれません。

1学期は保育園が楽しいと思えることが大事です。

仲よしの子がいるとクラスに興味を持つようになりますから、Tちゃんと気の合いそうな子を見つけてあげるとよいでしょう。

Tちゃんがほかのクラスで過ごしたいと言うのなら、そのクラスの担任に協力してもらって、参加させてもらうのも、可能であればよいと思います。

そのような経験を重ね、部屋に入るとおもしろいことがあるとわかれば、きっと自分のクラスにも興味がわいてくるでしょう。

ただ、ほかのクラスにTちゃんを預ける場合も、「ここにいてもいいけれど、みんなでTちゃんのことを待っているからね」と、必ずひとこと添えてあげましょう。

まとめ

年少児の1学期だけに限定したことですが、毎日、保育園に通えるようにすることが優先です。

言い出しにくいことかもしれませんが、他の保育士の先生たちの力を借りるのもアリです。

そして、担任しているクラスの子どもが、何もすることがないからつまらないという状態にならないように、自分の保育を見直すこと、そして、指示したことがちゃんと伝わっているかどうかを確認しましょう。